九州大学全学共通科目「文系コア 経済学」(前期・木1)
成績評価
教場試験
【講評】
問1 「全8回分の講義内容を要約」することが,この問題の目的です。
そのように解答できた答案に対して高い評価を与えました。
全ての内容を要約できなくても,授業に出席した証しを残している答案に対しては,高得点を与えています。
他方,別紙に掲げたグラフはあくまで,解答するための参考資料です。
グラフが上昇したとか,下落したとのみ書かれた答案は,あまり高い評価を差し上げることはできませんでした。
この授業は,日本および日本を取り巻く世界の経済の成り立ちに対して,相対的・複眼的に考察することを目的としています。
ですから,授業で教えた解釈を抜きにして,
従来の教科書的な一解釈だけ陳述した答案に対しても,あまり高い評価を差し上げていません(「日本史選択者」のオフサイド・トラップ)。
問2 問題には,「講義およびDVDの内容を振り返りつつ……事実関係を踏まえながら,自分の意見を論述しなさい」とありますので,そのように解答できた答案に対して高い評価を与えました。
「講義およびDVD」とありますので,両方(とくに講義)の内容が必要です。
なかにはDVDの内容しか踏まえていない答案もありましたが,これだけだと,講義を聴講し,理解ないしは認識してくれたのか,こちらからは判別がつきません。
講義をちゃんと聴いていた人は,おそらく執筆すべきネタがたくさんあったと思います。例を挙げれば,
 ・「法律・制度・組織]→「オランダ通詞と対外情報の非対称性」,「徳川時代の商業発展」,「横浜開港と居留地貿易制度」,「明治政府の役割」,「国際金本位制のメカニズム」,「日本型経済システムの源流」など,
 ・「科学技術の発展」→「徳川時代の農業発展」,「福澤諭吉の『民情一新』」,「2つの工業化のパターン」,「資本輸出と資本輸入」,「電力業の発展」
などをレクチャーしました。
問1,問2をあわせて,授業に出席し,積極的に受講してくれた(注:事実関係の正確な理解度は問わない)人たちがおそらく高得点を獲得し,ついで,授業には出席していたものの,寝てしまっていたり,PCで他の作業をやっていた人たち→主にDVD鑑賞を中心に出席した人たち→あまり熱心に受講しなかった人たちの順に,点数がついているはずです。
問3 「遠慮なく批評して下さい」と問題にありましたので,遠慮なく書いて下さったことと思います。
たとえ問1,問2のデキがイマイチでも,問3できちんと批評できていた解答には,少し高めに点数を差し上げました。
ここでいう「批評」というのは,「客観的に評価して論ずること」です。私の授業形式と授業内容に対して客観的に評価しつつ,課題や今後の展望を挙げてくれることを指します。なかには,非常に有益なアドバイスを書いてくれた方もいました。今後の参考にさせて頂きます。
他方で,文句や批判,個人的な要望を綴った解答も少なからずありました。「遠慮なく」と書きましたので,それ自体書いても構わないのですが,少なくとも,現状の授業形式・授業内容に対して,ご自身がどのような努力を払ってきたのか,述べてもらえると,客観的なコメントとして受け入れることができます
最も多かった意見としては,「講義中に出席をとってほしい」という意見でした。今思えば,1回くらいはとっても良かったと感じますが,やはり私にとって,「出席」とは,単に教室へ来るだけではなく,レジュメ・講義スライドを用意し,授業をきちんと聴講してくれた人に対して差し上げる評価だと思っています。せっかく教室へ来てもほとんど寝ていたり,持ち込みのPCで他のことをやっている人たちと同等に評価したくはないというのが本音であり,両者の相違を最も把握できる基準こそが,この期末試験だと思っています。
DVD鑑賞の電子媒体提出については,評価の声が多い反面,教室で鑑賞しなくても,別の場所で動画を見て提出しているという通告も複数ありました。この点は,私の反省として,今後の課題とさせて頂きます。

成績判定(出席点+教場試験)
(単位:人)
評点  薬・芸工
90~100点 A 12 7 33 11 63
80~89点 B 5 5 18 6 34
70~79点 C 7 13 45 5 70
60~69点 D 6 11 29 8 54
0~59点 F 3 2 13 5 23
33 38 138 35 244
(感想)
「文系だから高評価,理系だから低評価」,「日本史選択だから高評価,地理選択だから低評価」という判定にはなっていません。
各自の努力に見合った評定になっていると思っています。
前期の間,みなさん,お疲れさまでした。
とくに,1時限にも関わらず,毎回レジュメ・講義スライドを持参し,予鈴前に着席して授業に臨んでくれていた方々には,深く感謝申し上げます。
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