佐賀大学経済学部 日本経済史II
10月15日 L02 近世東アジアの国際情勢
1. アジア域内市場とヨーロッパの接近

(1)世界史における16~17世紀の東アジア

  アジア物産/ヨーロッパのアジア域内市場への参入/アジア商人への依存/銀/アジアの決済通貨

  /江南経済の発展/明代の物価上昇/日本銀の生産/灰吹法/石見・生野銀山/倭寇と海禁

  /ポルトガル・スペインの仲介/中継貿易港としての那覇・マニラ・マラッカ

(2)徳川幕府の対外関係と貿易政策

  南蛮貿易/オランダ東インド会社/糸割符制度/ポルトガル船来航禁止/オランダ商館長崎移転

  /「鎖国」は完成したのか?/ポルトガル船の再来航/宣教師の密入国/ポルトガル-オランダ休戦協定

  /中国船との競争/台湾撤退/「オランダ風説書」/日蘭間における情報の非対称性

―ハーフタイム―

2.「日本型華夷秩序」と4つの口

(1)徳川幕府と「日本型華夷秩序」

  中国産生糸の輸入減少/武士・豪商・農民の需要拡大/京都と博多/4つの口/華夷変態

  /琉球ルート/薩摩藩の占領/両属体制/朝鮮ルート/対馬藩/朝鮮通信使/日本型華夷秩序

(2)対馬-朝鮮ルート

  対馬藩宗氏/倭館/生糸輸入と銀輸出/日本銀の枯渇/貨幣改鋳/貴金属流出の防止

  /国内貨幣需要の増加/慶長銀・元禄銀・宝永銀/人参代往古銀/銀輸出停止と生糸国産化

(3)「鎖国」の経済史的意義

  閉鎖経済システムの完成/ヨーロッパが日本と貿易を行う重要性の喪失
【参考文献】
和辻哲郎「鎖国」,『和辻哲郎全集』第15巻,岩波書店,1963年,所収。
「近世の初めに新しい科学が発展し始めて以来,欧米人は三百年の歳月を費やしてこの科学の精神を生活のすみずみにまで浸透させて行った。しかるに日本民族は,この発展が始まった途端に国を鎖じ,その後二百五十年の間,国家の権力をもってこの近世の精神の影響を遮断した。」(15~16頁)
田代和生『近世日朝通交貿易史の研究』創文社,1981年,267頁。
荒野泰典『近世日本と東アジア』東京大学出版会,1988年。
田代和生「徳川時代の貿易」,速水融・宮本又郎編『経済社会の成立 17-18世紀』(日本経済史1)岩波書店,1988年,所収。
田代和生『倭館――鎖国時代の日本人町』文藝春秋,2002年。
田代和生『新・倭館――鎖国時代の日本人町』ゆまに書房,2011年。
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