佐賀大学経済学部 日本経済史II
11月12日 L06 明治政府の財政・金融政策
1.明治政府の成立と維新期の財政

(1)明治維新

  大政奉還と王政復古の大号令⇔八百万石の御朝廷/幕領のみ継承

(2)由利財政

  脆弱な権力基盤→太政官札の大量発行→紙幣価値の暴落/通商会社の設立≒藩専売制

  →外貨の政府独占を企図/「開明派」の批判:木戸孝允・井上馨・伊藤博文・大隈重信

(3)行財政制度の整備

  版籍奉還/明治政府による藩政への介入/藩債務の増加/廃藩置県/直轄地化→租税・軍事権の掌握

  /旧藩債務と士族の家禄/地租改正/地租が地価の3%である意味/民費/増収を見込めない政府

  ⇔米換金のリスクを負担した農民/秩禄処分/金禄公債発行条例→武士のリストラ/「士族の商法」と官僚化

―ハーフタイム―

2.金融システムの整備

(1)通貨制度の整備と課題

  銀匁の廃止/新貨条例/10進法/金1両=金1円≒1ドル/銀による対外決済/「金銀複本位制」

(2)国立銀行条例

  国立銀行条例の目的/資本金と兌換準備/第一国立銀行・第二国立銀行・第四国立銀行/兌換制度の課題

(3)国立銀行条例改正と「銀行設立ブーム」

  金禄公債の活用/兌換の免責/九州地銀のルーツ:福岡銀行・十八銀行・大分銀行・肥後銀行・鹿児島銀行

  /商人・地主資本→土地担保と農業融資/第十五国立銀行/華族資本と鉄道投資/「私立銀行」

  /三井銀行/現米の換金/納税の請負/国立銀行設立の意義
【参考文献】
梅村又次・山本有造「概説1860-85年」,同編『開港と維新』(日本経済史3)岩波書店,1989年,所収。
山本有造「明治維新期の財政と通貨」,同上,所収。
山本有造『両から円へ』ミネルヴァ書房,1994年。
磯田道史『武士の家計簿―「加賀藩御算用者」の幕末維新―』新潮新書005,2003年。
【参考Webサイト】
第四銀行・金融資料室 「第四国立銀行設立の背景」,「国立銀行当時の紙幣」を掲載。
十八銀行 「十八銀行の歩み」を掲載。
三井広報委員会 「三井の歴史」を掲載。
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