分析過程をフローチャートで描くと、上図のとおりになります。
地理情報は、位置情報属性情報に分類できます。

【位置情報】
本課題で位置情報のベースとなったのが、授業で配布された国土地理院「数値地図5000」(東京23区・町丁目別)です。
しかし、徳川期・明治初期の町丁目は、現在の町丁目よりも範囲が狭いため、
当時の町丁目をそのままの単位で復元することはできません。
そこで、
 (1) 
「当時の町丁目の面積」<「現在の町丁目の面積」ならば、前者のデータを後者の範囲に見合うように寄せ集め、
 (2) 
「当時の町村の面積」>「現在の町丁目の面積」ならば、後者のデータを前者の範囲に見合うように結合させました。
     (余分な町丁目境界を、ArcGIS内の「Dissolve機能」によって除去。)

【属性情報】
本課題で属性情報として使用したのが、「東京府志料」(戸口)、「諸問屋再興帳」(人宿)、「諸向地面取調書」(大名屋敷)です。
詳細は、次のページに記載します。
3つの史料とも、最初の作業は、データを入力することから開始されます。
次に、「人力アドレスマッチング」を行い、史料に記載された所在地と現住所を参考文献を使用して手作業で照合させます。
その後、戸口データは、現住所をもとに、Dissolve後の「国土数値情報」・「数値地図2500」のファイルに結合させます。
また、人宿と大名屋敷のデータは、ファイル形式をCSVとし、「CSVアドレスマッチングサービス」を通して、XY座標を取得します。
この結果、全ての属性情報がArcGISで開くことができるようになります。
そこで、全てのファイルをレイヤとして表示し、オーバーレイを行います。

【データの解析】
ArcGISでは、ベクター・データのままでは演算ができないので、全てのレイヤをラスターに変換して、解析を実行しました。

使用データ
項目 ファイルタイプ 元データ 制作日数
町丁目界・町村界 シェープ(poly)、日本公共測量座標(第9系) 「国土数値情報」(授業で配布)を加工(ディゾルブ) 2日
戸口 属性データ 『東京府志料』、1952(昭和26)年、データは1872(明治5)年 20日
人宿(口入屋) シェープ(point)、日本公共測量座標(第9系) 「諸問屋再興帳」、1851(嘉永4)年 3日
大名屋敷 シェープ(point)、日本公共測量座標(第9系) 「諸向地面取調書」、1856(安政3)年 2日
五街道 シェープ(line)、日本公共測量座標(第9系) 「数値地図2500」鉄道(授業で配布)を加工 1日

用語解説
位置情報 物体・現象の位置に関する情報。緯度・経度、座標系など投影法によって異なる。
属性情報 物体・現象の内容・状態に関する情報。
本課題で言えば、町村ごとの戸口数、人宿の所在地、大名の実禄、屋敷の坪数などが、該当する。
人力アドレスマッチング 私の造語です。
徳川・明治期における府内の地名が、現在の町丁目にどう該当するのか、全て手作業で調査しました。

【参考文献】
 ・『角川日本地名辞大典13 東京都』、角川書店、1978年。
 ・『日本歴史地名大系13 東京都の地名』、平凡社、2002年。
CSVアドレスマッチングサービス 東京大学空間情報科学研究センターの相良毅氏によるアドレスマッチングサービス。
住所データの書かれたCSVファイルを送信すると、緯度・経度情報を付加したファイルを取得できます。
オーバーレイ 各レイヤごとにファイルされた地図データを必要に応じて重ねて表示すること。

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