「青葉薫風伊達姿」仙台
仙台市博物館・青葉城趾のロケーション
仙台市博物館
開館時間 9:00am-4:45pm(入館は4:15pmまで)
休館日 ・月曜日(祝日・振替休日の場合は開館)
・祝日・振替休日の翌日(土・日曜日,祝日の場合は開館)
・12月28日~1月4日
入館料 〈常設展〉
・一般・大学生400円
・高校生200円
・小・中学生100円
アクセス ・JR東北本線「仙台駅」西口バスプール9番,15-3番(るーぷる仙台)から
 ・仙台市バス「博物館・国際センター前」下車
・JR仙石線「あおば通駅」から徒歩20分
展示の特徴 ・かつての仙台城三の丸に立地する博物館。
・時代の流れに沿って展示テーマを構成した常設の総合展示室が非常に充実。
 ・総合展示室Ⅰでは,旧石器時代から室町時代までの仙台の歴史を解説。
  伊達氏のルーツを探ります。
 ・総合展示室Ⅱは,伊達政宗の登場から江戸時代までの仙台藩について解説。
  仙台城下の賑わいしと経済,村方の暮らし,伊達騒動について学べます。
 ・総合展示室Ⅲは,幕末・維新期から昭和まで仙台の移り変わりを展示。
  江戸時代と比較して派手さはありませんが,見逃せないブースです。
 ・テーマ展示室では,仙台藩伊達家の武器・武具,そして支倉常長とキリシタン関係の
  史料を展示。あの有名な政宗所用の具足や陣羽織を手に取るように眺められます。
参考:サン・ファン館(宮城県慶長使節船ミュージアム)
 復元された慶長使節船サン・ファン・バウティスタに乗船して,支倉常長一行の足跡をたどることができます。
URL http://www.city.sendai.jp/kyouiku/museum/
鶺鴒(セキレイ)の花押 伊達政宗画像
 花押とは,署名の下に書く判のこと。政宗は,鶺鴒をかたどって,花押としていました。時代がによって,尾の部分が徐々に伸びる様子がうかがえます。(上図の尾部は,非常に長い!)
 大河ドラマ「独眼竜政宗」で,政宗(渡辺謙)が秀吉(勝新太郎)から謀反の疑いをかけられたとき,政宗は「自分が書いた書状には,鶺鴒の花押に目を空けています。太閤さまがお持ちの書状は,目が開いてないので偽物です。」と弁明し,疑いを晴らしたのを思い出しました。
 政宗の画像は,両眼を開いて描かれています。これは,実際には隻眼だった政宗本人の希望だと言い伝えられています。
黒漆五枚胴具足
(伊達政宗所用・重要文化財)
紫羅背板地五色水玉文様陣羽織
(伝・伊達政宗所用)
 戦国大名が所用した甲冑の中でも,一二を争うほど有名な作品。漆黒の胴具足と,弦月型の前立の付いた兜が,非常に印象的です。
 STAR WARSのダースベーダーは,この甲冑をヒントに誕生したとか,しないとか…。きっと戦国時代の「ダースベーダー」も,あのテーマソングにあわせて登場してきたことでしょう。でも,私には,やはり「独眼竜政宗」の主題歌のほうが,耳に残っています。
 羅背板(ラセイタ)とは,羅紗よりも薄く,手ざわりのやや粗い輸入毛織物の一種です。ポルトガル語で"raxeta"と書きます。原料となる生地は,南蛮貿易でもたらされたと考えられます。だから,遠くから眺めると絹のようになめらかに見えますが,そばで観察すると,毛羽立っているのが,よくわかります。寒冷の東北地方で合戦で着用すると,とても温かそうです。
 斬新な水玉模様として,長らく政宗の伊達男ぶりを象徴するものとして扱われてきました。しかし,明治期の記録には,政宗の陣羽織が水玉ではなく,星形だったと書かれているため,もう少し時代が下った江戸前期~中期の製作とも考えられています。
支倉常長像(国宝)
 支倉常長は伊達政宗の家臣で,1613(慶長18)年に,慶長遣欧使節の正使としてスペイン,ローマを訪問し,通商交渉を行いました。当初の目的を果たせないまま,1620(元和6)年に帰国,キリスト教禁制下で不遇の晩年を過ごしました。
 常長が持ち帰った資料は,当時の東北地方におけるキリスト教の普及・弾圧過程を克明に伝えています。
「蘭学階梯」(大槻玄沢著,1788(天明8)年刊) 「海国兵談」(林子平著,1791(寛政3)年刊)
 大槻玄沢は,徳川後期の蘭方医・蘭学者。江戸で杉田玄白前野良沢から蘭学を学び,長崎にて遊学後,江戸詰の仙台藩医となり,家塾芝蘭堂を開きました。
 「蘭学階梯」は,玄沢の著した蘭学の入門書で,蘭学のすすめ,オランダ語の発音表記,和訳作成の注意書きが述べられています。
 林子平は18世紀の経世家で,寛政三奇人の一人に数えられています。仙台に移居後,同藩の工藤平助田沼意次に蝦夷地開拓を進言)と交際し,のちに長崎でオランダ商館に出入りして,海外情勢に関する認識を深めました。
 「海国兵談」は,18世紀末期のロシア南下政策に対する警告書で,幕府に海防の急務を説きましたが,寛政の改革において発禁,子平は蟄居処分となりました。
※写真の撮影と公開は,見学の際に口頭で許可を頂きました。

周辺案内
伊達政宗騎馬像
 仙台城本丸は,青葉山の山腹に位置します(ちなみに,二の丸跡は,現在の東北大学川内キャンパス)。博物館からは,山道を15分ほど登ると到着しますので,ぜひ訪れてみましょう。騎馬に跨る伊達政宗が,観光客を出迎えてくれます。本丸跡からは,仙台市内を一望できます。
2006年8月16日現在
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