久原ゼミ・鷲崎ゼミ 合同討論会を開催
2009年7月2日(木) 4・5限
 久原・鷲崎両ゼミは,1か月に及ぶ合同キャンペーン「グローバリゼーションと日本経済」の締めくくりとして,合同討論会を開催,今日のグローバル化とその歴史的意義をまとめました。

 まず,鷲崎ゼミは,「グローバリゼーションの歴史的観点」から明治期における三井組の役割に注目,とくに,三井物産会社社長・益田孝と,三井銀行理事・中上川彦次郎の足跡に焦点をあてて,その共通点・相違点を打ち出しました。

 次に,久原ゼミは,横浜開港から太平洋戦争に至る日本の対外関係をサーベイするとともに,グローバリゼーションの現況とそれに対する日本の課題を提示しました。

 両ゼミのプレゼンテーションに引き続いて,グループディスカッションを実施。グローバリゼーションに対する明治期と今日との比較に関して,メディアの位置づけ方をめぐって,積極的な議論が交わされました。
 全体的な印象を述べると,キャンペーン開始以前は,両ゼミ生ともその意義に対して漠然としたイメージしか掴み切れていませんでしたが,「未来をひらく福澤諭吉展」の見学(6月2日)や,『福翁自伝』の輪読(6月8日,15日,22日)を通じて,幕末・明治期の経済的背景を認識し,かつ福澤諭吉の思想的魅力に僅かでも接近できたのではないかと思います。

 いまは,そのおもしろさが理解できた段階ですので,夏期休暇を利用して,より具体的,実証的に研究成果を残せるよう,期待しています。

 最後に,久原ゼミのみなさん,1か月の長丁場にわたってお付き合い下さり,本当にありがとうございました。経済史専攻のゼミとして,現代経営学を専攻する方々と一緒に勉強できたことをうれしく思っています。
プレゼンテーション評価シートの結果
 鷲崎ゼミのプレゼンテーションは,久原ゼミ生から評価を受けました。

 評価のポイントは,右記の10ポイントで,それぞれ1~5の5段階で採点されています。
 ・1:全くそう思わない
 ・2:そうは思わない
 ・3:そう思う
 ・4:かなりそう思う
 ・5:強くそう思う
1. 洞察力 自分なりの思索・思考・洞察力を示している
2. 論理性 シナリオが論理的に構成されている
3. 説得力 参考文献の扱い方が手堅く,説得力が増している
4. 質疑応答 質問・意見・反論に答えられている
5. 時間配分 発表時間を守り,発表の時間配分と速度が適切である
6. 発声方法 話のペース,声の大きさ,抑揚が模範的で聞き取りやすい
7. 表現方法 ボディ・ラングエッジ,アイ・コンタクトがとれている
8. 資料図表 関連資料や図表などの工夫がある
9. 段取準備 発表の段取りを周到に準備した形跡がみられる
10. 情熱 伝えようとする情熱を感じる
 下図のレーダー・チャートは,今回の結果を,約1か月前に行われた前回の結果と比較したものです。サンプルサイズや評価者自身の採点基準に相違はあるものの,プレゼンの技術は総じて向上した傾向にあります。しかし,論理性に対する評価が前回を若干下回った点については,反省の余地があるといえるでしょう。

 今後,このレーダー・チャートが,偏ることなく,外延的に拡大していくよう,頑張っていきましょう。
記述回答欄
とくに評価したい点とその理由
発表の流れがわかりやすかった点。
自分の考えや意見を交えながら,プレゼンされていた点。
時間をかけて準備しているので,よくわかって良かったと思います。
三井内部の指針の違いが,わかりやすく対比されている。
本に書いてあることへの疑問と,独自の考えが出せている姿勢がステキでした。
益田と中上川の比較という構造がわかりやすかったです。
参考文献を詳しく調べて,添付していた点。
歴史について詳しく調べられていた点。
三井の創成期の2人の役者に焦点を絞ることで,三井財閥という1つの流れが浮かび上がってきて,非常に面白かった。
欠点に対する改善方法のアドバイス
もう少し大きな声で,プレゼンすれば,更によくなると思います。
声が少し小さい気がしました。
配付資料とプレゼンのリンクが弱い。
パワーポイントは,改善の余地があるかと思います。
発表の回数をこなすこと。見やすいPowerPointについて考えること。
回数を重ねる。
中上川,益田両者の経営方針はわかった。ただ,具体的な経営戦略(例えば支那収集制度)がもっと紹介されると論じやすかった。
本論に関する質問や感想
久原ゼミでは考えることのなかった軸で,グローバリゼーションを考えるkと尾ができて,楽しかったです。
知らない分野を理解できたことが,非常に興味深かったです。
幕末や維新のグローバリゼーションの動きや,国内の動きがよくわかった。メディアや言語の移り変わりにも,興味を持った。
三井など財閥をもっと勉強しようと思いました。
三井以外の財閥についても,興味が出てきました。楽しかったです。
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