定期試験に関する質問
中間試験の実施日が,部活の試合と重なってしまいました。中間試験を受験できなかった場合,何か代替策はありますか?
 いまのところ,レポートを課して,中間試験の代替とする準備をしています。

 執筆要領を履修者専用ページにアップロードしましたので,ご一読ください。授業でも配付いたします。
定期試験の勉強をしやすいよう,模擬テストを配布してほしい。
 今年度初めて九大で講義するので,基本科目「経済史」の過去問はまだありません。

 以前,他大学で「日本経済史」の過去問でよければ,履修者専用ページにアップロードしておきました。出題傾向を確認したいのなら,ご参照下さい。

講義に関する質問
PowerPointのスライドが,書写している途中に切り替わってしまうので,全部写せませんでした……。
 第3回第4回の講義では,とりわけスライドの文字数が多かったあまり,ご迷惑をおかけしました。第5回以降は,それ以前よりも,文字数を減らしています。

 講義する側としても,ベストな文字数を把握できるよう,努力します。
PowerPointの背景が青いので,講義スライドを印刷すると,文字が消えてしまって,よくわかりませんでした。書き込んだりしたいので,もう少しどうにかなりませんか?
 第1~5回分の講義スライド(履修者専用ページ内)を,大至急差し替えて,背景を白色にしました。少しは,ランニング・コストを抑えられると思います。

 第6回以降の講義スライドは,当初から背景を白色にして作成しています。
講義レジュメの行間が狭くて,書き込みづらいです。
レジュメに,直接書き込みをしたいです。
 ご要望にお応えして,レジュメを1行おきに改行しておきました。

 ただし,これでも狭いとお感じになる場合には,以下の方法で,プリントアウトなさるのをお薦めします。たとえば…
(1) レジュメの該当部分を「コピー」する。
(2) 「メモ帳」や「ワード」の文書に,「ペースト」する。
(3) 各自で適時,改行,改頁をして,書き込むスペースを広げていく。

 このような工夫を通じて,オリジナルの講義ノートを作成できるとともに,書写に必要な時間を短縮できると思います。
過去の経済モデルを踏まえて,現在の経済の解釈などを示してほしい。
 なかなか,おもしろいアイディアですね。時間の許す限り,取り入れてみたいと思います。

成績・評価に関する質問
試験だけではなく,出席・平常点を加味した評価を希望します。
出席点を頂けると,うれしいです。
 あくまで私のポリシーですが,出席は履修者の義務であって,評価の対象そのものではないと思っています。もっと重要なのは,出席した講義の内容を理解してくれているかです。ですから,試験では,継続して出席できていれば解答できる問題を出題しています。それが,平常点に対する評価だと思っています。

(かりに,もし大半の学生が解答できずに,点差がつかなかったのであれば,それは教え方が悪いのだと反省し,次年度のシラバスを再検討させて頂きます。)
旧カリキュラムなので,試験の評価基準がとても気になります。
 旧カリキュラムでも,(水1)の範囲内では,新カリキュラムと同等に評価します。

 「継続は力なり」です。がんばってください。

参考文献に関する質問
参考書は必要でしょうか?また,お薦めの参考書はありますか?
 毎回,各講義のレジュメ下段に,参考文献を掲げています。講座もの,叢書レベルから,専門的な学術研究書,洋書まで,さまざまありますが,参考にしたいレベルに応じてお使い下さい。

高校の選択科目に関する質問
高校では,地理を選択し,日本史・世界史の知識に対して不安があります。大丈夫でしょうか?

高校では,理系だったので,地理を選択していました。世界史の知識は,古代ローマ時代まで,日本史は全く勉強していません。歴史は暗記物が多く,未だに苦手意識があるので,不安です。
高校の歴史学習は,古代・中世に偏っていたので,近代以降はほとんど勉強した記憶がありません。経済に関する歴史について,いままでの勉強は難しくて,退屈で,なんとか独学で勉強しても,手にしたテキストによって解釈を異にしていたり,認識の違うものがあったりして,わからなくなることがありました。今回の授業は,とてもわかりやすく,興味を持てる工夫がされていたのですが,講義スケジュールを見ると,日本の経済史を大きな枠で取り扱っているので,内容についていけるのか,とても不安です。
 まずは,苦手意識や不安があるなかで,履修してくれたことに感謝いたします。(基本科目なので,「仕方なく……」かもしれませんけどね。)

 さて,歴史は本当に暗記科目なのでしょうか?私の結論からすれば,「歴史は暗記科目なんかではない」のですが,この主張をもう少し相対的に位置づけるために,先に「理系科目が暗記科目ではない」ことを意識してみましょう。

 たしかに,高校の日本史・世界史では,年号・人物・事件など,幾多の名称がこれでもかと登場し,その知識の有無自体を問わせる問題が多かったと思います。「用語集」や「一問一答」といった参考書も,ありましたね。文系人間の私も,いまから20年弱前のセンター試験で化学を選択したときに,「金属と炎色反応」の組み合わせをどうしても覚えられず,何度も暗記を強いられました。

 せっかく化学の話をしたので,もう少し簡単な事例を出してみましょう。

 元素記号に初めて出くわすのは,たしか中学の理科だったでしょうか?「水兵リーベ,僕の船七曲がる,シープス・クラークか」(ローカル・ヴァージョンが多々あると思いますが……)と覚えますよね?順番に並べると,
H, He, Li, Be, Bo, C, N O, F, Ne, Na, Mg, Al, Si, P, S, Cl, Ar, K, Ca
となります。

 このとき,「1価の陽イオン」は,H, Li, Na, Kですよ~,その間隔は,最初はHから2つあとのLi,次は8つあとのNa,その次も8つあとのKですよ~,と教わると,暗記に頼らざるを得ません。もし初めて教わった生徒ならば,当然「なんで~?」と質問したくなりますよね。

 でも,我々は,そこにロジックが存在することを知っています。すなわち,
(1)原子原子核電子から成り立ち,さらに原子核の中にある陽子の数によって,原子番号が異なること,
(2)原子の構造を模型にすると,電子の軌道は,原子核を取り巻くように,複数の層を成している。それを電子殻と呼ぶことにすると,それぞれの電子殻に収納できる電子の数は,内側から順番に,2,8,18……と決まっていること,
(3)原子の最も外側にある電子殻の電子最外価電子と言い,それが化学結合や物性に深く関わりやすい
というメカニズムがあるから,暗記に頼らずとも,「1価の陽イオン」がH, Li, Na, Kだと,素直に認識できるのです。

 社会科学,ひいては経済学,経済史にも,こうしたロジックやメカニズムがあります。ただし,自然科学と違って,その答えは1つに定まりません。かつては,イデオロギーという「ある政治経済や社会に対する考え方や思想傾向」を定説としていた時期がありました。しかし,近年の社会科学は,世の中の移り変わりとともに,そのような一点張りの観念形態を見直し,時代や地域に合わせて,さまざまなロジックやメカニズム,モデルを生み出しています

 経済学部のみなさんにとって重要なのは,複数編み出されたロジックやメカニズム,モデルの中から,どれが一番,時代や地域,世の中のニーズに合致しているのか,見つけ出す点にあります(第1回「経済史へのいざない」で使った「だまし絵」を思い出して下さい)。

 私の授業では,近年の経済史研究のなかで支持されているロジックやメカニズムを紹介していきます。ですから,履修者のみなさんは,事象や人物を暗記するのではなく,いま述べたようなロジックやメカニズムを,まずは発見・認識・理解してもらい,そのうえで,従来習ってきた定義と比較し,どちらが今後の世の中に必要なのか判断する力を身につけてもらいたいと思っています。


激励・コメント
苦手だけど,がんばります!!
 ぜひ,頑張ってください。経済史に対するポテンシャルは,それぞれ違うでしょうから,努力に応じて評価したいと思っています。
半年間よろしくお願いします!!
 こちらこそ,よろしくお願いします。

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